この記事の対象読者

  • 火災保険の更新案内が届き、保険料が上がっていて理由を知りたい方
  • 水災補償を外せば保険料が下がると聞き、外してよいか迷っている方
  • 契約期間を何年にするか、地震保険をどうするかも合わせて決めたい方

先に結論

  • 水災補償を外すかどうかは、階数だけで決めず、ハザードマップの浸水・土砂災害の想定、建物と家財の置き場所、自分で修理費を出せるかで判断します。
  • 水災の保険料は、市区町村ごとの5つの区分(水災等地)で差がつく仕組みです。参考純率では、5等地は1等地の約1.5倍です。
  • 契約期間は、参考純率を使える期間が最長5年になっています。いつから適用するかは保険会社ごとに異なります。
  • 地震・噴火・津波による損害(地震による火災を含む)は火災保険では補償されず、地震保険を火災保険にセットして備えます。
  • 更新は「補償の範囲」「保険金額」「契約期間」の3点を、今の住まいと貯蓄に合わせて確認する機会です。

制度・条件

火災保険で補償される主な損害

損害の種類住宅火災保険(基本的なタイプ)住宅総合保険(補償の広いタイプ)
火災・落雷・破裂・爆発○○
風災・ひょう災・雪災○(自己負担額がある場合あり)○(同左)
水災×○(自己負担額がある場合あり)
給排水設備の事故などによる水濡れ×○
盗難、飛来・落下・衝突、騒じょうなど×○

出典:日本損害保険協会(業界団体)「火災保険」。商品によって補償の組み合わせを選べるものもあります。保険の対象は「建物」と「家財」を分けて契約します。

水災は、一般に台風や豪雨による洪水などの損害を指しますが、対象になる損害の範囲と、保険金が支払われる条件(浸水の程度など)は契約ごとに定められています。約款・重要事項説明書で確認してください。

水災等地と契約期間

項目内容出典
水災等地水災リスクに応じて1等地(低い)〜5等地(高い)の5区分。市区町村単位損害保険料率算出機構(2023年6月21日届出の参考純率)
等地による差5等地の保険料は1等地の約1.5倍同上
契約期間参考純率を適用できる期間を最長10年から最長5年に短縮損害保険料率算出機構(2021年5月21日届出)
適用時期参考純率を使う時期(販売時期)は保険会社が決める同上

損害保険料率算出機構は保険料率の算出を行う団体で、公的機関ではありません。等地は同機構のページで市区町村から検索できます。実際の保険料は保険会社ごとに決まるため、見積もりで確認してください。

地震保険(財務省)

項目内容
補償する損害地震・噴火・これらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失
契約のしかた火災保険とセットで契約(単独では契約できない)
対象居住用の建物(マンション共用部分を含む)と家財
保険金額火災保険の保険金額の30%〜50%。上限は建物5,000万円、家財1,000万円
支払割合(2017年1月以降の保険始期)全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%(いずれも時価額が上限)

地震保険は政府が再保険を引き受ける仕組みで、1回の地震等による保険金の総支払限度額は12兆円です(財務省)。

具体例・比較表

※以下は架空の例です。保険料の差額は説明のための仮の数字で、実際の保険料は保険会社・建物・地域で異なります。

水災補償を「つける・外す」の比べ方

比べる点Aさん:マンション8階・家財のみ契約Bさん:戸建て2階建て・川の近く
ハザードマップ(洪水)浸水想定区域外浸水想定 0.5〜3m
土砂災害の想定なしなし
水災で被害を受けうるもの共用部は管理組合の保険。専有部の家財は8階1階の床・設備・家財、外構
水災を外した場合の保険料の差(仮)年数千円年1.5万円
被害時に自分で出せる額貯蓄で修理可能床上浸水の修理費は貯蓄で賄えない可能性
判断の方向外すことも検討しやすい外すと家計への影響が大きい

同じマンションでも、低層階や地下に駐車場・倉庫がある場合、自分の家財の置き場所によって判断が変わります。

地震保険の保険金額の目安(架空:火災保険の建物の保険金額2,000万円)

地震保険の保険金額全損(100%)一部損(5%)
30%:600万円600万円30万円
50%:1,000万円1,000万円50万円

地震保険は建て直し費用の全額ではなく、生活の立て直しの資金と考えて、住宅ローン残高や貯蓄と並べて保険金額を決めます。

住まいの保険と家計の整理をしたい方は

更新案内の保険料・補償内容と、貯蓄や住宅ローンを並べて、補償をどう見直すかを一緒に整理します。保険への加入や契約を前提にした相談ではありません。

FP相談はこちら

判断の手順

  • 更新案内と証券を並べる:今の補償の範囲(水災・水濡れ・破損など)、保険金額、契約期間、更新後の保険料を書き出します。
  • ハザードマップで自宅を確認する:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」の「重ねるハザードマップ」で洪水・土砂災害・高潮・津波の想定を、「わがまちハザードマップ」で市町村の地図を確認します。
  • 水災等地を確認する:損害保険料率算出機構のページで、市区町村の等地を調べます。
  • 被害を受けうるものと自己負担の上限を決める:建物・家財のどこが浸水しうるか、修理費をいくらまで貯蓄で出せるかを考えます。
  • 保険金額を確認する:建物は「再調達価額」(同じ建物を建て直すのに必要な額)を基準にするか、家財は今の持ち物に合っているかを確認します。
  • 契約期間を決める:最長5年の中で、保険料の改定を受けるタイミングや一括払いの資金を考えて決めます。長期契約の条件は保険会社に確認します。
  • 地震保険の有無と保険金額を確認する:火災保険の30%〜50%の範囲で決めます。

よくある誤解

  • 「高い階に住んでいれば水災は不要」:家財の置き場所や、戸建て・低層部分の有無によって変わります。ハザードマップと合わせて判断します。
  • 「地震による火災は火災保険で出る」:地震等による火災・損壊は火災保険では補償されません(日本損害保険協会・財務省)。
  • 「水災等地は2024年に全社一斉に変わった」:等地の参考純率は2023年6月21日の届出で、実際の適用時期は保険会社ごとに異なります。
  • 「契約期間は10年にできる」:参考純率を適用できる期間は最長5年に短縮されています(2021年5月届出。適用時期は各社)。

よくある質問

Q. 賃貸住宅でも火災保険は見直せますか? A. 賃貸では、建物は大家さん側の保険であることが一般的で、入居者は家財の補償と、部屋を壊したときの賠償の補償を確認します。賃貸契約で指定がある場合は契約書を確認してください。

Q. 水災等地はどこで調べられますか? A. 損害保険料率算出機構のウェブサイトで、都道府県と市区町村を選んで検索できます。

Q. 地震保険だけ契約できますか? A. できません。火災保険とセットで契約します(財務省)。

Q. 更新のときに保険会社を変えてもよいですか? A. 変えることもできますが、補償の切れ目ができないよう、新しい契約の開始日と今の契約の満了日をそろえて確認します。

今日確認すること

  • [ ] 更新案内で、水災補償の有無と更新後の保険料を確認する
  • [ ] ハザードマップポータルサイトで、自宅の洪水・土砂災害の想定を確認する
  • [ ] 損害保険料率算出機構のページで、市区町村の水災等地を確認する
  • [ ] 証券で、建物・家財の保険金額と契約期間を確認する
  • [ ] 地震保険の有無と保険金額(火災保険の何%か)を確認する

関連記事

  • 毎月黒字なのに貯金が増えない?年払いを見つける年間支出カレンダー
  • 毎月のお金、見直す順番:固定費・保険・貯蓄投資
  • 保険の見直しの進め方(平均データを入口に判断する手順)

住まいの保険と家計の整理をしたい方は

水災補償や地震保険をどこまでつけるかは、住まいの場所と貯蓄で変わります。一緒に整理したい方はご相談ください。加入・契約を勧めるものではありません。

FP相談はこちら

本記事は一般的な情報提供を目的としています。制度や商品の詳細は公式情報をご確認ください。個別の判断は、ご自身の状況に応じて専門家へご相談ください。