この記事の対象読者
- 毎月の保険料が平均より高いのか低いのか、まず目安を知りたい方
- 保険を見直したいが、解約・減額・追加のどれから考えればよいか分からない方
- 見直した後に、家計(毎月の支出)がどう変わるのかを具体的に確認したい方
先に結論
- 公益財団法人 生命保険文化センター(業界団体)の調査では、2人以上世帯の年間払込保険料は平均35.3万円(2024年度「生命保険に関する全国実態調査」)、個人は平均17.1万円(2025年度「生活保障に関する調査」)です。
- どちらも保険に加入している世帯・人の平均で、個人年金保険の保険料を含みます。平均より高い・低いだけで、払い過ぎか不足かは判断できません。
- 見直しは「契約を一覧にする→公的保障を確認する→重なり・不足を確認する→解約・減額・追加を決める」の順番が基本です。
- 見直しの結果、保険料が下がる場合もあれば、不足していた保障を足して上がる場合もあります。解約は元に戻せないため、最後に判断します。
制度・条件
平均データ(調査名・年度と数字の対応)
| 数字 | 対象 | 調査名・年度 | 調査主体 | 注記 |
|---|---|---|---|---|
| 年間35.3万円(月換算 約2.9万円) | 2人以上世帯(保険に加入し、保険料を払っている世帯) | 2024(令和6)年度「生命保険に関する全国実態調査」(2025年1月発行) | 生命保険文化センター(業界団体) | 個人年金保険の保険料を含む。一時払・頭金の保険料は除く |
| 年間17.1万円(月換算 約1.4万円) | 個人(生命保険・個人年金保険に加入し、保険料を払っている人) | 2025(令和7)年度「生活保障に関する調査」(速報版、2025年10月23日公表) | 生命保険文化センター(業界団体) | 個人年金保険の保険料を含む。一時払・頭金の保険料は除く。男性19.6万円、女性15.4万円 |
月換算は、年額を12で割った編集部の計算です(35.3万円÷12≒2.94万円、17.1万円÷12≒1.43万円)。
同じ調査元のページでは、世帯の分布として「12万円〜24万円未満」が19.3%で最も多いことも示されています。平均は、保険料が高い一部の世帯に引き上げられる可能性があるため、分布もあわせて見ると目安になります。
保険を見直す前に確認したい公的保障
金融庁は「民間保険は公的保険を補完する面もあることから、公的保険の保障内容を理解したうえで、必要に応じた民間保険に加入することが重要」としています。見直しの前に、次の公的保障を確認します。詳しい計算は各記事で扱います。
| 心配な場面 | 先に確認する公的保障 | 確認先 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 入院・手術の医療費 | 高額療養費(1か月の自己負担に上限。2026年8月から見直し・年間上限の新設) | 厚生労働省 | 高額療養費の計算 |
| 病気・けがで働けない | 傷病手当金(会社員などの健康保険。通算1年6か月)、障害年金 | 協会けんぽ・加入先の健康保険、日本年金機構 | 就業不能保険の前に |
| 亡くなったときの家族の生活費 | 遺族基礎年金(子のある配偶者または子。子は18歳到達年度末までなど)、遺族厚生年金 | 日本年金機構 | 死亡保障の必要額 |
見直しの方法の種類(業界団体の手引による)
生命保険文化センター(業界団体)の「生命保険の契約にあたっての手引」などでは、解約以外にも次の方法が紹介されています。利用できるかどうかは契約・保険会社によって異なります。
| 方法 | 内容 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 保険金の減額 | 保障額を減らし、以後の保険料を下げる | 減額した部分は解約扱い。会社によっては最低金額の基準がある。特約も同時に減ることがある |
| 特約の解約 | 付けている特約だけを解約する | 他の特約も同時に解約が必要になる場合がある |
| 払済保険への変更 | 払込みを止め、保険期間はそのままで保障額を小さくする | 特約は消滅するのが一般的。解約返戻金が少ないと変更できない場合がある |
| 延長(定期)保険への変更 | 払込みを止め、死亡・高度障害の保障だけにする | 保険期間が短くなることがある。特約は消滅。利用できない種類もある |
| 追加契約・特約の中途付加 | 不足する保障を足す | 告知(診査)が必要。保険料はその時点の年齢で計算される |
| 解約 | 契約をやめる | 元に戻せない。解約返戻金は一般に払込保険料より少なく、短期間ではないかごくわずかの場合がある |
具体例・比較表
以下は架空の例です。特定の商品を勧めるものではなく、保険料の数字も説明用の仮の値です。実際の保険料・解約返戻金は契約内容で異なります。
前提(架空の例):40代の夫婦と小学生の子ども2人。夫は会社員、妻はパート。保険料は月4.2万円(年50.4万円)で、世帯平均(年35.3万円)より高い状態です。
| 契約(架空) | 見直し前の月額 | 確認したこと | 見直し案 | 見直し後の月額 |
|---|---|---|---|---|
| 夫:医療保険 | 5,000円 | 高額療養費・勤務先の制度を確認。入院日額の保障は残す | 継続 | 5,000円 |
| 夫:終身保険の入院特約 | 3,000円 | 上の医療保険と入院保障が重なっている | 特約のみ解約 | 0円 |
| 夫:終身保険(主契約) | 15,000円 | 葬儀費用など一生の保障として残す | 継続 | 15,000円 |
| 夫:定期の死亡保障 | 7,000円 | 遺族年金・貯蓄を差し引くと保障額に余裕がある | 減額 | 4,500円 |
| 妻:医療保険 | 4,000円 | 継続 | 継続 | 4,000円 |
| 妻:死亡保障 | なし | 妻の収入・家事育児がなくなったときの不足を確認 | 追加 | 2,000円 |
| 学資保険 | 8,000円 | 教育資金の準備として継続 | 継続 | 8,000円 |
| 合計 | 42,000円(年504,000円) | — | — | 38,500円(年462,000円) |
この架空の例では、月3,500円(年42,000円)下がります。ただし、内訳を見ると「下げた項目」と「足した項目」が両方あります。
| 比べる点 | 見直し前 | 見直し後 |
|---|---|---|
| 見方 | 保険を契約ごとに別々に見ている | 保障を一覧にし、重なりと不足を確認した |
| 判断の基準 | 平均保険料との比較だけ | 公的保障・貯蓄・家族構成を合わせて判断した |
| 保険料の動き | ― | 特約の解約・減額で−5,500円、妻の保障の追加で+2,000円 |
| 残る注意点 | ― | 追加は告知・審査の結果次第。減額・解約は元に戻せない |
保険料を下げることが目的ではなく、「どの場面に、いくら必要か」に保障を合わせた結果として金額が動きます。不足が見つかれば、見直し後の保険料が見直し前より高くなる可能性もあります。
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判断の手順
- 契約を一覧にする:保険証券や契約内容のお知らせを集め、「誰の・どの場面の・いくらの保障か・保険料・保障が終わる年齢」を1枚に書き出します。
- 平均と比べるのは入口だけにする:世帯なら年35.3万円、個人なら年17.1万円(いずれも個人年金保険を含む)と比べ、大きく離れていれば理由を考えます。
- 公的保障を確認する:医療費は高額療養費、働けないときは傷病手当金・障害年金、亡くなったときは遺族年金を確認します。
- 重なりと不足を確認する:同じ場面を複数の契約で保障していないか、逆に保障がない場面(例:配偶者の死亡、長期の就業不能)がないかを見ます。
- 解約以外の方法も比べる:減額・特約の解約・払済保険・延長保険で目的を果たせないかを、保険会社に確認します。
- 追加が必要なら、先に新しい契約の成立を確認する:告知の結果によっては新しい契約ができない場合があるため、解約は新しい契約が成立した後に検討します。
- 見直し後の家計を確認する:毎月の保険料の差額を、貯蓄や他の支出にどう回すかまで決めます。
よくある誤解
- 「平均より高いから払い過ぎ」:平均は加入している世帯・人の平均で、個人年金保険も含みます。子どもの人数や住宅ローンの有無で必要な保障は変わります。
- 「見直し=保険料を下げること」:不足が見つかって保障を足し、保険料が上がる場合もあります。
- 「要らない契約は解約するしかない」:減額・特約の解約・払済保険など、契約を残したまま保険料を下げる方法がある場合があります。
- 「先に解約してから新しい保険を探せばよい」:健康状態によっては新しく契約できない場合があり、解約した契約は戻せません。
よくある質問
Q. 平均の35.3万円と17.1万円は、どちらと比べればよいですか? A. 世帯全体の保険料を比べるなら35.3万円(2024年度 生命保険に関する全国実態調査、2人以上世帯)、自分ひとりの保険料なら17.1万円(2025年度 生活保障に関する調査、個人)が目安です。どちらも業界団体の調査です。
Q. 見直しをすると保険料は下がりますか? A. 下がる場合も、上がる場合もあります。重なっている保障を外すと下がり、不足している保障を足すと上がります。
Q. 解約返戻金はどのくらい戻りますか? A. 保険の種類・契約時の年齢・経過年数で異なり、一般に払込保険料より少なくなります。契約後短期間では、ないかごくわずかの場合があります。金額は保険会社に確認します。
Q. 医療保険・がん保険・死亡保障は、それぞれどう判断しますか? A. 各論は別記事で扱います。医療保険、がん保険、死亡保障をご覧ください。
今日確認すること
- [ ] 家族全員の保険証券・契約内容のお知らせがどこにあるか
- [ ] 年間の保険料合計(月払いは12倍、年払いはそのまま)を出したか
- [ ] 同じ場面(入院・死亡など)を保障している契約が2つ以上ないか
- [ ] 勤務先の健康保険の加入先(協会けんぽ・健康保険組合など)と、勤務先独自の保障の有無
- [ ] 解約を考えている契約の、解約返戻金と減額・払済保険の可否を保険会社に確認したか
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保険の見直しは、保険料だけでなく、公的保障・貯蓄・家族の予定と合わせて考えると整理しやすくなります。今の契約を一覧にしたうえで、FPに相談できます。
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本記事は一般的な情報提供を目的としています。制度や商品の詳細は公式情報をご確認ください。個別の判断は、ご自身の状況に応じて専門家へご相談ください。
