この記事の対象読者
- 子どもの教育資金を、学資保険・預金・NISAのどれで準備するか迷っている方
- 2027年から子どももNISAを使えるようになると聞き、何が変わるのか知りたい方
- すでに学資保険に入っていて、NISAとどう組み合わせるか考えている方
教育費の総額の目安は教育費はいくら必要?、児童手当を貯めた場合の大学費用は児童手当を全部貯めたら大学費用は足りる?で扱っています。
先に結論
- 教育資金は「時期と金額がはっきりした、確実に必要なお金」と「時期や金額に幅がある上乗せのお金」に分けて考えます。
- 確実に必要なお金は、元本が減りにくい預金や、受取時期が決まった学資保険が候補になります。学資保険は、受取総額が払込保険料の総額を下回ることや、途中解約で払込額より少なくなることがあります。
- 上乗せのお金で、使うまで10年以上あるなど時間に余裕がある部分は、NISAも候補になります。ただしNISAは税金がかからない制度で、元本は保証されません。使う時期に値下がりしている可能性があります。
- 2027年から、0〜17歳の子どももNISAのつみたて投資枠を使えるようになります(年60万円、非課税保有限度額600万円)。12歳までは払い出せず、12歳以降も子どもの同意が必要です。
- 学資保険には、契約者(親など)が亡くなった場合に以後の保険料が免除される保障が一般的についています。この保障が家計に必要かどうかも判断材料です。
※2026年10月11日に公的機関のページ等で確認した内容をもとにした一般的な情報です。特定の保険・金融商品をすすめるものではありません。
制度・条件
学資保険・預金・NISAの比較
| 比べる点 | 預金 | 学資保険(一般的なしくみ) | NISA(親名義・現行制度) |
|---|---|---|---|
| 引き出し | 普通預金はいつでも(定期預金は満期前の解約に条件がある場合あり) | 祝金・満期保険金の時期は契約で決まる。それ以外は解約などが必要 | 売却すればいつでも現金化できる |
| 受け取る額 | 預けた額+利息 | 契約時に決まる。受取総額が払込保険料総額を下回ることがある | 運用の結果で変わる |
| 元本 | 減りにくい | 途中解約では払込額より少ないことがある | 投資信託・株式は元本割れの可能性がある |
| 親に万一のとき | 保障はない | 以後の保険料の払込免除が一般的(契約による) | 保障はない |
| 税金 | 利息に課税 | 満期保険金は条件により一時所得または贈与税 | 運用益が非課税 |
| 向いているお金の例 | 数年以内に使う、金額のはっきりした費用 | 時期がはっきりした先の費用で、親に万一の場合も積み立てを続けたい部分 | 時期・金額に幅がある上乗せ部分 |
学資保険のしくみ(業界団体:生命保険文化センターの説明)
- 子どもの入学・進学の時期に合わせて祝金、満期に満期保険金を受け取るしくみです。大学以降に数年間、毎年受け取る「学資年金」型もあります。
- 祝金と満期保険金の受取総額が、払い込んだ保険料の総額を下回ることがあります。
- 契約者(親など)が亡くなった場合、一般にその後の保険料の払込が免除されます。育英(養育)年金を受け取れる商品もあります。
- 子どもの加入年齢の上限は12〜15歳程度の会社があり、会社によって異なります。
満期保険金の税金(国税庁)
| 保険料を負担した人と受取人 | かかる税金 |
|---|---|
| 同じ人(例:親が負担し、親が受け取る) | 所得税(一時金なら一時所得) |
| 違う人(例:親が負担し、子が受け取る) | 贈与税 |
一時所得の金額は「(受け取った保険金の総額−払込保険料の総額−特別控除50万円)×1/2」です(その年にほかの一時所得がない場合)。
学資保険の保険料は生命保険料控除の対象になる場合があります。23歳未満の扶養親族がいる場合、令和8年分と令和9年分(2026年分・2027年分)は、新契約の一般生命保険料控除の上限が6万円になります(通常は4万円。3つの控除の合計の上限12万円は変わりません。国税庁)。詳しくは生命保険料控除の記事をご覧ください。
NISAの制度(金融庁・財務省)
| 項目 | 現行(18歳以上) | 2027年から(0〜17歳) |
|---|---|---|
| 対象 | 日本国内に住む、利用する年の1月1日時点で18歳以上 | 0〜17歳 |
| 年間投資枠 | つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円(合計360万円) | つみたて投資枠 年60万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠1,200万円) | 600万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 | ― |
| 払出し | 売却はいつでも可能。売却分の簿価だけ翌年以降に枠が復活 | 12歳までは払出し不可。12歳以降は、子の同意を得た場合に限り親権者等が払出し可能(子のための使途であることなどの書面が必要) |
出典:金融庁「NISAを知る」、財務省「NISAのつみたて投資枠の拡充(令和8年度改正)(令和9年〜)」(2026-10-11確認)
具体例・比較表
架空の例です。金額・期間は説明のために置いた数字で、将来の受取額や運用成果を示すものではありません。計算はPythonで検算しています。
家族の前提(架空):子ども0歳。18年後の大学入学時に、入学時の費用として100万円、在学中の上乗せとして200万円を準備したい。
| お金の分け方 | 目標額 | 使う時期 | 毎月の積立額(利息・運用益0円で計算) | 候補になる手段 |
|---|---|---|---|---|
| 確実に必要なお金(入学時) | 100万円 | 18年後の春 | 約4,630円(100万円÷216か月) | 預金、学資保険 |
| 上乗せのお金(在学中) | 200万円 | 18〜22年後 | 約9,259円(200万円÷216か月) | 預金、NISA |
| 合計 | 300万円 | ― | 約13,889円 | ― |
値下がりした時期に使う場合(架空) NISAで月9,259円を18年間積み立てると元本は約200万円です。使う時期に評価額が元本の20%下がっていたら、約160万円になります。差の約40万円は、預金などほかのお金で補う必要があります。使う時期の数年前から、値動きのある資産の一部を預金に移しておく考え方もあります。
学資保険の確認例(架空) 払込保険料の総額が216万円、受取総額が220万円の契約なら、受取総額÷払込保険料総額は約101.9%です。親が負担して親が受け取る場合、(220万円−216万円−50万円)はマイナスなので、一時所得の課税対象額は0円です。一方、5年で解約すると、戻る額は契約ごとに異なり、払込額より少ないことがあります。
2027年からの子どもNISAを使う場合(架空) 2027年に8歳の子の口座で積み立てを始めると、12歳になるまでは払い出せません。中学・高校の入学時の費用には使いにくく、大学入学時など先の費用に向く可能性があります。年60万円の枠を毎年使う必要はなく、家計に合う額で考えます。
判断の手順
- 使う時期を書き出す:子どもごとに、高校・大学の入学の年を書き出します。きょうだいがいれば重なる年も確認します。
- 確実に必要なお金と上乗せのお金に分ける:進路にかかわらず必要な額と、進路しだいで必要になる額を分けます。
- 使うまでの年数で手段を分ける:数年以内に使うお金は預金、時間に余裕がある上乗せ部分はNISAも候補、と使う時期から考えます。
- 親に万一のときの財源を確認する:遺族年金・勤務先の制度・加入中の死亡保障で教育費まで見込めているかを確認し、学資保険の保障が必要かを考えます。
- 続けられる額か確認する:保険料や積立額を払っても、生活費の数か月分の貯蓄が作れるかを確認します。
- 書面で確認する:学資保険は受取時期・受取総額・払込総額・解約返戻金、NISAは口座の名義・対象商品・払出しの条件を確認します。
よくある誤解
誤解1:学資保険は払った額より多く戻る 受取総額が払込保険料の総額を下回ることがあります(生命保険文化センター)。途中解約では払込額より少なくなることがあります。
誤解2:NISAで運用すれば教育資金は増える NISAは運用益が非課税になる制度で、元本は保証されません。使う時期に値下がりしている可能性があります。
誤解3:2027年からの子どもNISAは、いつでも教育費に使える 12歳までは払い出せず、12歳以降も子の同意を得た場合に限り親権者等が払い出せるしくみです(財務省資料)。
誤解4:学資保険かNISAか、どちらか一つに決める必要がある 使う時期と性格の違うお金に分ければ、預金・学資保険・NISAを組み合わせる考え方もあります。
よくある質問
Q1. 今、子ども名義でNISAを始められますか? A. 2026年10月時点のNISAは、利用する年の1月1日時点で18歳以上が対象です。0〜17歳のつみたて投資枠は2027年からです。それまでは親名義の口座で積み立てる方法があります。
Q2. 学資保険の満期保険金に税金はかかりますか? A. 保険料を負担した人と受取人が同じなら所得税(一時金は一時所得)、違う場合は贈与税の対象です。一時所得は「(受取総額−払込保険料総額−50万円)×1/2」で計算します。
Q3. 学資保険にはいつまで入れますか? A. 生命保険文化センター(業界団体)によると、子どもの加入年齢の上限は12〜15歳程度の会社があります。会社・商品によって異なります。
Q4. 子どもNISAは年60万円を使い切らないといけませんか? A. 財務省資料で示されているのは年間の上限額です。家計に合う額で積み立てる考え方があります。
Q5. 教育資金にNISAを使う場合、いつ預金に移せばよいですか? A. 決まった時期はありません。使う時期が近づいたら、値下がりしても困らない額かを確認し、一部を預金に移すかを考えます。
今日確認すること
- [ ] 子どもごとの高校・大学の入学の年を書き出した
- [ ] 教育資金を「確実に必要なお金」と「上乗せのお金」に分けた
- [ ] 加入中の学資保険があれば、受取時期・受取総額・払込総額を保険証券で確認した
- [ ] 親に万一のことがあったときの財源(遺族年金・勤務先・保険)を書き出した
- [ ] NISAで積み立てる場合、使う時期の数年前に預金へ移すかを決めた
関連記事
- NISAの積立額を「使う時期」と手元資金から決める方法
- 教育費はいくら必要?家族で決める方針
- 児童手当を全部貯めたら大学費用は足りる?
- 生命保険料控除、2026年分で何が変わる?
本記事は一般的な情報提供を目的としています。制度や商品の詳細は公式情報をご確認ください。個別の判断は、ご自身の状況に応じて専門家へご相談ください。
