所得区分別の上限(70歳未満・2026年8月〜2027年7月)

年収は目安です。実際の区分は標準報酬月額や課税所得などで決まります。月額欄の『+1%』は、医療費が一定額を超えた部分にかかる計算です。

年収目安月額上限年間上限
約1,160万円〜270,300円+(医療費−901,000円)×1%168万円
約770万〜約1,160万円179,100円+(医療費−597,000円)×1%111万円
約370万〜約770万円85,800円+(医療費−286,000円)×1%53万円
〜約370万円61,500円53万円
住民税非課税36,900円29万円

先に結論:高額療養費は『医療費の上限』であって、入院中の家計全体の上限ではありません

高額療養費は、1か月(1日から末日まで)に支払った保険診療の自己負担が、年齢や所得区分に応じた上限を超えたとき、超過分が支給される制度です。対象になるのは健康保険が適用される診療の自己負担で、入院に伴うすべての支出が対象になるわけではありません。

入院前は、①医療費の上限、②対象外の費用、③休職や収入減で不足する生活費を分けて見積もります。

2026年8月〜2027年7月の上限(70歳未満)

次の表は年収の目安です。実際の区分は標準報酬月額や課税所得などで決まるため、加入している健康保険で確認してください。2027年8月以降の見直し予定は、確定した制度として扱わず、最新の厚生労働省資料で確認します。

上限に入らない主な費用

高額療養費の対象外として、次の費用は別に準備します。入院時の食事療養費は、一般区分では2026年6月1日から1食550円です。差額ベッド代は、患者が希望して個室を選んだ場合などに発生し、制度の対象外です。病院から説明を受け、同意書と料金を確認してください。

  • 差額ベッド代
  • 入院中の食事代
  • 先進医療の技術料など保険外の診療
  • 通院・見舞いの交通費、日用品
  • 休職中の給与減少や社会保険料・税金

医療費100万円の仮定例でも、生活費は別に残る

70歳未満で年収約370万〜770万円の区分、医療費総額100万円を1か月に受けたと仮定すると、自己負担の計算は85,800円+(1,000,000円−286,000円)×1%=92,940円です。これは保険診療の自己負担だけの計算で、食事代、差額ベッド代、交通費、日用品、収入減は含みません。

制度で医療費が抑えられても、毎月の生活費が消えるわけではありません。入院日数と休職期間を置き、生活費の何か月分を現金で残すかを先に決めます。

会社員は傷病手当金、国保は自治体の案内を別に確認

会社員などが業務外の病気やけがで休み、給与が出ない場合は、条件を満たすと傷病手当金の対象になることがあります。高額療養費とは別の制度で、申請から支給まで時間がかかる場合もあるため、勤務先と加入先へ早めに確認します。

国民健康保険の傷病手当金は、保険者が条例などで定めている場合に限られることがあります。お住まいの自治体へ確認してください。休職中も健康保険・厚生年金の資格と保険料が続く場合や、給与から住民税を引けず普通徴収になる場合があるため、会社の担当部署にも確認します。

入院前に確認する5項目

次の数字を同じ表に置くと、医療費と生活費の不足を分けて見積もれます。

  • 加入している健康保険と所得区分
  • 1か月の保険診療の自己負担上限
  • 食事代・差額ベッド代・交通費・日用品の見込み
  • 休職期間、傷病手当金の申請先と入金までの期間
  • 現金で準備する生活費と、保険・貯蓄から出す順番

今日確認すること

マイナ保険証の限度額情報の提供、または限度額適用認定証の要否を加入先へ確認してください。制度の対象と家計の不足を自分の場合で整理したい方は、FP相談はこちらからご相談ください。特定の保険や金融商品への加入を一律にすすめるものではありません。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。制度や商品の詳細は公式情報をご確認ください。個別の判断は、ご自身の状況に応じて専門家へご相談ください。